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EPS(1株当たり利益)とは|PERとの関係と見方

公開日:2026年11月6日

結論:EPS(Earnings Per Share、1株当たり利益)は、会社の純利益を発行済株式数で割った数字です。株価をEPSで割るとPER(株価収益率)になり、両者はセットで使われます。大切なのは1回の数字より何年も続けて伸びているかという推移です。ただし自社株買いや一時的な利益でもEPSは増えるため、中身まで確かめる必要があります。

決算のニュースで「EPSが予想を上回った」という表現をよく目にします。この記事では、EPSの計算方法、PERとの関係、推移の見方、種類の違い、そして見るときの注意点を、架空の数字を使って順番に整理します。

EPSとは何か

EPSは「株を1株持っていると、その会社の利益のうちいくら分が自分の取り分になるか」を表す数字です。会社全体の利益を、株1株あたりに割り振って計算します。

計算式は次のとおりです。

EPS = 純利益 ÷ 発行済株式数

たとえば純利益が10億ドル、発行済株式数が2億株の架空の会社なら、EPSは5ドルです。会社の規模が違っても、1株あたりにそろえることで比べやすくなります。

純利益とは、売上から費用や税金をすべて差し引いて最後に残った利益のことです。英語では「Net Income」と書かれます。米国企業は四半期(3か月)ごとに決算を発表し、そのたびにEPSも公表されます。

EPSとPERの関係

EPSは、株価の割高・割安をはかるPER(株価収益率)の土台になる数字です。PERは株価をEPSで割って求めます。

PER = 株価 ÷ EPS

株価100ドル、EPS5ドルの架空の銘柄なら、PERは20倍です。「今の利益の20年分の値段がついている」と読むことができます。

架空の銘柄株価EPSPER
A社100ドル5ドル20倍
B社100ドル2ドル50倍
C社40ドル4ドル10倍

株価が同じでも、EPSが違えばPERは大きく変わります。逆に言えば、株価が動かなくてもEPSが増えればPERは下がります。株価が上がる理由の多くは、このEPSの成長だと考えられています。

PERには、過去1年の実績EPSを使う「実績PER」と、アナリストの予想EPSを使う「予想PER」があります。どちらのEPSを使っているかで数字が変わるため、比べるときはそろえることが大切です。

EPSの見方は「推移」が基本

EPSは1回分の数字だけ見ても判断しにくい指標です。何年分かを並べて、増えているか、安定しているかを見るのが基本です。

年X社のEPSY社のEPS
1年目2.00ドル3.00ドル
2年目2.20ドル1.20ドル
3年目2.42ドル4.10ドル
4年目2.66ドル2.50ドル

架空のX社は毎年約10%ずつ着実に伸びています。Y社は年によって大きく上下しています。4年目の数字だけならY社のほうが少し低い程度ですが、安定感はまったく違います。

見るときのポイントは次の3つです。

決算発表のときに株価が大きく動くのは、3つ目の「予想との差」が注目されるためです。詳しくは決算の基本で解説しています。

希薄化後EPSと調整後EPS

決算資料には、EPSが何種類も載っていることがあります。初心者がまず知っておきたいのは次の3つです。

種類英語表記意味
基本的EPSBasic EPS今ある株数で割ったEPS
希薄化後EPSDiluted EPS将来増えうる株数も含めて割ったEPS
調整後EPSAdjusted EPS一時的な損益などを除いて会社が独自に計算したEPS

希薄化とは、ストックオプション(社員に与える株を買う権利)などで株数が増え、1株あたりの取り分が薄まることです。希薄化後EPSは、その分を見込んだ控えめな数字になります。

調整後EPSは、会計基準(米国ではGAAPと呼ばれるルール)に沿わない、会社独自の数字です。本業の実力を見やすくする目的がありますが、何を除くかは会社が決めます。ニュースの「予想を上回った」が、どちらのEPSの話なのかを確かめましょう。

自社株買いでもEPSは増える

EPSは割り算なので、分子の利益が増えなくても、分母の株数が減れば増えます。その代表が自社株買い(会社が自分の株を市場から買い戻すこと)です。

この架空の例では、利益は同じなのにEPSが25%増えています。自社株買いは株主還元の一つで、悪いことではありません。ただ「EPSが伸びた理由が利益の成長なのか、株数の減少なのか」は分けて考える必要があります。

反対に、株式分割では株数が増えるためEPSは小さくなります。1株を2株に分ければEPSは半分になりますが、株価も同じく半分になるため、PERは変わりません(→株式分割とは)。

EPSを見るときの注意点

EPSは便利な指標ですが、これだけで投資判断はできません。株価はEPS以外にも、金利や市場全体の雰囲気など多くの要因で動きます(→株価が動く理由)。

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よくある質問

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本記事は投資の学習を目的とした一般的な情報提供であり、特定の銘柄や売買手法を推奨するものではありません。記事中の数値は説明のための架空の例です。EPSなどの指標は過去の業績や予想にもとづくものであり、将来の株価を保証するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。実際の投資判断はご自身の責任で行ってください。カブテラは仮想資金による投資シミュレーションであり、実際の金融商品の売買は行いません。